平成23年11月28日、異例の知事名による調整池の土砂撤去、調整池工事の工事を促す文書が発行されました。
平成24年5月28日、粘り強い指摘で事業者はやっと調整池の施工計画書を提出しました。
調整池工事が再開されました。
霧島市に進捗報告を提出しています。
しっかり監視します。


各調整池の土砂堆積の変遷を確認ください。
不適切な維持管理状況の実態が確認できます。
A調整池     B調整池    D調整池

調整池とは何?

防災調整池設置の必要性(県・河川課の方針)
開発によって,山林や田畑を宅地や商工業用地,ゴルフ場等に土地利用の改変が行われると,流出率が変化し下流河川や水路等への流出が増加したり,洪水のピ−ク流量の発生する時間が短縮するなどの影響が生じる。この対策として,河川や水路等への流出を抑制する施設として『防災調整池』が設置されるが,その調整池は,操作しないで確実に下流への流出を抑制するものとして,有効な施設となっている。鹿児島県においては,昭和48年頃から,宅地造成等の開発に対して,『防災調整池』の設置を指導してきている。

事業者は調整池と沈砂池を混同した発言を繰り返しています。
調整池は土砂を貯める場所ではありません。従って堆積した土砂は速やかに除去しなければなりません。
沈砂池は山林開発の途中で儲ける施設で調整池への土砂流入を防止する役割を持ちます。
県が定める調整池設置基準を入手しました。

当初、現地には5か所の調整池が作られる予定でした。
東端のE調整池は未施工区域であるとして工事を行っていません。
C調整池:流域変更、コース変更したということで廃止です。
  廃止の条件としてA調整池のオリフィスを絞って流量調整するという届がなされています。
  この変更の申請が平成8年3月、平成9年7月許可。平成8年6月以降、工事は全てストップ。
  A調整池のオリフィスは平成9年7月許可の状態に施工されているという奇妙な状態です。

A調整池:中央に位置する最も広大な調整池です。
  幅:60メートル、奥行き:206メートル、深さ:9メートル、貯水量68,028立方メートル
  これが全く未完成です。前面擁壁の一部と後部擁壁が作られているのみで側壁、底盤は未施工
  おまけに大量な土砂がありましたので、調整機能は全くなしでした。
  鹿児島県、霧島市の職員は設計図と全くかけ離れていることを指摘していません。
  無知であるのか、意図的であるのかはわかりません。

B調整池:西端、下側に位置する調整池です。設計容量は1,920立方メートル
  後部、側壁はコンクリートで作られています。
  底盤がコンクリートではありません。前面擁壁が設計図と異なり、開放されていました。
  この開放部分から、水は流れ出ますので、貯水能力はゼロでした。
  事業者の報告によりますと構築後、一回も土砂撤去を行っていません。

D調整池:敷地東側に位置する調整池です。設計容量は3,360立方メートル
  この調整池は岩盤上に構築されていますので前面擁壁のみコンクリートであればOKです。
  自然の岩盤を利用していますので土砂撤去は岩盤まで行わねばなりません。
  土砂撤去用の道路を作ることも設計図にありますが、これを作っていないために土砂撤去は
  本来調整池であるところに堆積した土砂を固めて搬出車両の出入りに使っています。
  この調整池で平成7年9月に人身事故が発生しました。県へも事故報告書が提出されていました。
  原因は排水塔前面のオリフィスへ流れ込む金網の上端が開放されているからです。
  オリフィスで流せないほどの雨量になりますと、貯水が開始され、さらに雨が続きますと排水塔から排水されます。
  この状態になった時に金網の上端から木屑、軽石が流れ込み43センチメートルのオリフィスを塞ぎました。
  事業者の報告によりますと構築後、一回も土砂撤去を行っていません。
  常態化していたオリフィスの詰まりを考えますと貯水能力はゼロと見做すのが妥当です。
  
  この調整池は設計図どおりに作られていないことが判明しました。
  設計図では堰堤長=52.4メートル  実測結果は46メートルで、6メートル短いでした。
  事業者はこの事実を認めています。
  県はこの事実を知りながら問題としません。

平成23年6月7日、県から調整池の設計図の開示を受けました。
調整池設計情報

望ましい調整池
霧島市牧園町中津川にダイワハウスが展開中の「ロイヤルシティ霧島妙見台」
ここに建設されています調整池はまさにお手本です。
平成5年の8.6災害の倍の雨量に耐えられる調整池との事
どこぞのゴルフ場開発を放棄している業者に見学をお薦めしたい。
このような調整池を先行完成させることを条件に林地開発は許可されています。

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